特定非営利活動法人ポパイ

特定非営利活動法人ポパイ

“協働の継続から見えてきたプロジェクトの成長とエンパワメントの力”

これまでオーストラリアの団体とともに継続して「CONFUSION INCLUSION」というダンスプロジェクトを行ってきた特定非営利活動法人。今回の助成では、共生社会の実現に向けた文化芸術プロジェクトとして、関係性を積み上げてきたオーストラリアからメンバーを招聘しワークショップと公演を行った(詳しくはこちら)そんな活動について、アンケートで結果や課題、今後について伺ってみた。

今回の実施事業において、成功した点、課題と感じた点についてそれぞれ教えてください?

【成功した点】
日英通訳者に入っていただいたとはいえ、メンバー同士がコミュニケーションを取るのは難しかったのですが、ワークショップやリハーサルを重ねるうちに打ち解け、言葉が分からなくても挨拶したりハグし合ったりするようになりました。
作品のリハーサル中に(オーストラリアのダンスチーム)キーストンクルーの支援員ダンサーがウゴクカラダ(ポパイのダンス集団)の障害者ダンサーの動きをフォローする場面もありました。また、双方の支援員ダンサーは元々ダンス経験があるメンバーではないのですが、練習を繰り返し、実際に一緒に作品を仕上げていく中で、ダンスに対してどんどん開かれていき、この素晴らしいコラボレーションを継続しよう! と約束を交わしていました。遥か海を越えて出会い、踊り、それぞれの文化や福祉観を自然と交換することで、まるで冒険のような発見やドキドキや変容が生まれるのだと知りました。
【課題と感じた点】
車いす席を20席設けましたが、申し込み1名、実際の来場者0名という結果でした。また、手話通訳も配備しましたが、聴覚障害のある来場者は1名でした。バリアを減らすよう取り組んだつもりでしたが、該当者に来場いただけなかったので、原因を探りたいと思います。

コミュニティダンスワークショップ

コミュニティダンスワークショップ

回答ご担当者様個人の回答としてお答えいただければと思いますが、活動を通して、考え方への変化、日常に対する変化などがあれば教えてください。

オーストラリア人の障害のあるメンバーに関して、初めての海外渡航であり、初めての日本ということで異国的(観光的)な期待があると想像していましたが、食などに対しての関心が薄く日本食よりいつも食べているようなハンバーガーやパスタの方が良いようで、なるほどと思いました。
私は英語がある程度できますが、言葉で通じ合えない職員がワークショップや作品作りを通してオーストラリアメンバーと徐々に近づいていき、また支援についても刺激を受けていた様子を見て、“異なる”人たちとの接触から生まれる発見や体験が人を変える可能性をあらためて実感しました。

CONFUSIONINCLUSION

CONFUSIONINCLUSION

今後の予定、または、目標についてどのようなことを考えられていますでしょうか?

数年に渡るオーストラリアチームとの往来と協働の中で、このプロジェクトの成長と、人々をエンパワメントする力を目の当たりにしてきました。来年度は愛知県内の別の地域へこのプロジェクトを運び、その地域の人たちと実施する予定です。これまで培ってきた障害のある人たちとの異文化交流・舞台芸術のノウハウを活かして、新たな場所で新たな人たちにこのプロジェクトを味わっていただき、障害者の舞台芸術や表現活動の魅力と可能性を伝えていきます。これは、障害当事者にとってだけでなく、福祉や教育に携わる人にも大切なことだと考えています。そして、障害者の「これがやりたい!」が叶えられ豊かな暮らしを主体的に送ることができる社会を広げていきたいと思います。
劇場を利用しての舞台芸術には非常にお金がかかります。今回本番を含め3日間借り、リハーサルの時間をゆっくりと取りましたが、障害者が安全かつ有効に劇場を利用するためにはどんなことに留意すべきか、福祉事業者も劇場関係者も舞台技術者も時間的余裕を持って実際に舞台を使いながら知り合う必要があると改めて感じました。事後に舞台監督さんが「通常だともっとタイトにスケジュールを組んでいくところ、メンバーのことをよく知る演出家とダンス講師の意見(明日はこの時間からに変更しよう、とか休憩を予定より長く取ることにします)を聞き、自分も皆の様子を見ながら進めるように努めて、学ぶことが沢山あった。」とおっしゃっていました。初めて障害者に関わると戸惑うことが多いでしょうし、利用するこちら側も舞台のことが分からないので舞台のルール等を知る時間が必要です。今回は舞台監督さんが大らかに柔軟に対応してくださる方でしたし、劇場にも劇場の地域課題解決に熱心なスタッフさんがおられたので、少ない時間で連携を取ることができましたが、新たな場所で舞台芸術を行なっていくとき、しっかりと共有できるよう会場を日数多く借りられるほうが大変良いと思いました。

PROFILE

事業団体について
特定非営利活動法人ポパイ

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CONFUSION INCLUSION ~ウゴクカラダ、海をつなぐ~

『CONFUSION INCLUSION』は障害福祉事業所NPO法人ポパイのダンス集団ウゴクカラダがオーストラリアの団体と継続的に実践している、映像・音楽・ダンスを融合させた舞台芸術です。作品を共同制作し、公演・ダンスワークショップを2016年度に名古屋で、2017、2018年度にオーストラリアで開催しました。そして今年度、オーストラリアチームを再び名古屋へ招聘し、ダンスワークショップ・公演・トーク交流会を行います。“CONFUSION”は混乱、“INCLUSION”は包摂を意味します。知的障害がある・文化や言葉が異なる・共に踊る・・・そこから生まれる混乱と包摂を、さらにその先にあるものを、感じ取り交換する機会となりますように。

住所:愛知県名古屋市北区志賀南通2丁目51
FAX:052-508-9035
WEB:http://mo-ya-co.info/

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